基本コミュ障なもんで。

髪型の悩みは尽きない。自分一人ではどうにも解決できないことを、三十一歳にしてようやく悟った。

そこで、おれはプロに頼むことを決意した。

そうだ、美容室に行こう。

京都に行くノリで、おれは美容室に行くことにした。

まずは予約である。第一関門である。

おれは電話恐怖症であり、『電話をする』と考えるだけでストレスである。

よし、美容室に行くのは諦めよう!

おれがそう思ったとき、天から囁く声が聞こえた。

「今はネット予約ができる時代だよー。電話する必要ないよー」

な、なにぃ! それはありがたい!

おれはホットペッパービューティーのアプリをインストールして、軽やかに予約を入れた。

第一関門突破である。

第一関門さえ突破してしまえば、あとは予約時間に美容室に行くだけである。約束を守るだけである。簡単簡単。

おれは特に何も考えずに、当日、美容室へと向かった。

美容室の扉を開けて、中に入ると、かわいいお姉さんが待ち構えていた。

十年前の初心なおれなら挙動不審になっていたかもしれないが、おれもすでに三十オーバーのおじさんだ。

心の中で『かわいいなぁ』と思いながら「二時から予約を入れているストレッサー将軍です」とスマートに言う。

待合室に案内され、初めてなので簡単な説明を受けた。お姉さんは良い匂いがした。

その後、カットスペースへと案内され、イスに座る。数分待って、ようやく美容のプロである美容師さんがやって来た。

今回担当してくれたのは、男性の美容師さんだった。美容師さんは開口一番、こう言った。

「お客様、今日はどうなさいますか?」

え!?

将軍、パニックである。何も考えていなかったので、なんて答えて良いのかわからず、パニックである。

しかし、おれはすでに三十オーバーのおじさんだ。こういうときは、素直に事情を説明すればいいのである。三十年生きてたどり着いた教訓は、『結局素直が一番』ということだ。

「どうしたらいいですか?」

丸投げである。何もわからないということを素直に伝えると、丸投げになる。

しかし、さすがプロである。

「そうですね。トップは今くらいの長さのままで、あとはちょっとサイドが膨らんで見えるので、サイドを少し短めに切ればバランス良くなると思います。日本人はサイドが膨らみやすいですからね」

おれの丸投げに、ちゃんと答えてくれた。「おお、このお兄さん素敵!」おれは全幅の信頼を置き「じゃあ、それで」と、丸投げした。

その後、髪をカットしてもらい、シャンプーをしてもらい、炭酸泉なる謎の液体で頭皮を引き締められた。

迷いのないハサミのチョキチョキという音は小気味よくて、素敵だなぁと思った。洗練されたプロの『音』である。

すべての作業が終わり、できあがりを見せてもらった(メガネユーザーの将軍は、ここで初めてメガネを装着してちゃんと自分の髪型を見た)。

「おお、なんかええやんけ!」

なんかよくわからんが、良い感じにしてもらった。

その後、スタイリングの方法も丁寧に教えてもらい、結果満足した。

良かった良かった。さすがプロだ。やっぱりプロに頼むが一番ストレスが少なくていいやい。

そんな風に考えながら、陽気な気分でおれは帰路に就いた。

しかし、ストレスの猛攻はここから始まる。

翌日、シャワーを浴びて、改めて髪型を確認してみた。

あれ? なんか、枝毛? みたいな感じで、髪の毛がぴょんぴょん跳ねて見えるんだけど……。

そう、なんか、変なのだ。すごーく気になるのだ。

ここで、おれはあることを思い出す。

前の記事でも書いたが、おれは短髪よりも長髪の方が好きなのだ。

ここで、ストレス発生である。ストレスひょっこりはんである。

やっぱり、すべてお任せにするのではなく、どういう髪型にしたいか、どれくらいの長さにしたいかというの事前にしっかりと決めてから、美容室に行くべきだった。

自分の髪型なのだから、自分でしっかりと責任を持つべきだったのだ。丸投げ良くない。

髪の毛がまた伸びるまで1,2ヶ月ある。その1,2ヶ月の間、おれはずっとストレスに攻撃され続ける。ストレスに攻撃されながら、仕事をして、友と語って、家族を大切にしなければならない。

それはけっこう、しんどいのよ。

でも、おれは前向きに戦う!

次こそは失敗しないように、どういう風にオーダーすれば良いのか、ずっと考えている。

今考えてるのはこんな感じ。

髪の長さは今と同じくらいか、今よりも少し短いくらいが良くて、あと、もみあげとか襟足部分がかなりモサモサしてきたので、そこら辺を中心に全体的にスッキリさせたいんですけど……。

これで、ちゃんと伝わるだろうか?

まあ、何事もトライアンドエラーだ。何度でも失敗してやろう。のぞむところだ!

諸君の髪型がバッチリ決まって、ノーストレスで今日という日を生きることを願う。

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